裏話⑨最も費用対効果の高い家電製品3選

裏話⑨最も費用対効果の高い家電製品3選

家電製品といっても多種多様な製品がありますが、大きく分類すれば2つに分けられます。

現代生活を生きるため、無くてはならない冷蔵庫や洗濯機などの白物家電

娯楽用と言われる、無くても生活できるTVやオーディオなどの黒物家電

この二つに分けることが出来ます。

その中でも私が思う費用対効果が高い家電3選をご紹介

  • 洗濯乾燥機(ドラム式含む):「ワンボタンで時を節約」洗濯乾燥機がもたらす生活の変革
  • 食器洗い乾燥機:「料理後の救世主」老若男女が本領発揮
  • ロボット掃除機:「あなたの代わりに決まった時間に毎日床掃除」清々しい毎日を

なぜこの3種の家電の費用対効果が高いのか、わかりやすく一言で表すとズバリ「時短」です。

人は生まれてから必ず死を迎える運命にあります。もちろん他の生物も同じですが、人類は他の生物とは一線を画す特徴を持っています。それは、私たちの知恵と技術の結晶である機械や家電を巧みに操る才能です。

すべての生物には限られた生存時間が与えられています。どの生物もその寿命を変えることはできません。しかし、日常の中で避けては通れない多くの仕事や作業が私たちを待っています。家電はそんな日常の仕事や作業を代わりにこなしてくれる頼りになる存在です。

特に、日常の義務的な作業の時間を短縮し、それを自分のための自由な時間に変えてくれる家電は私たちにとって最も価値のあるアイテムと言えるでしょう。その中でも特におすすめの家電が、上記3種の家電になります。

これから更に詳しく深堀解説していきます。

日本の洗濯機のはじまりから洗濯乾燥機(ドラム式含む)の歴史

簡単に洗濯機の歴史を振り返ってみましょう。

洗濯機: 1930年、日本の洗濯機の歴史は東芝の前身である芝浦製作所が攪拌式洗濯機「Solar」(ソーラー)を販売したことからスタート。この革命的な製品は手洗いの負担を大幅に軽減して、それ以降の家庭の洗濯環境を大きく変えました。

ドラム式洗濯乾燥機: 1980年代、電力各社は家電各社との共同研究を開始。その中で「洗濯乾燥機」が注目されるようになりました。1989年、シャープ、続いて三洋が海外メーカーとのOEM(他社ブランド)でドラム式洗濯乾燥機を発売。1997年、松下が国産初のドラム式洗濯乾燥機を発売し、日立も続いて発売しました。

タテ型洗濯乾燥機: 2000年、松下が世界初のタテ型洗濯乾燥機を発売。この新型洗濯機は従来の洗濯機と同じ場所に設置可能で、騒音や振動も大幅に低減されました。さらに洗濯時の衣類の絡みを減少させる技術や、乾燥ムラを少なくする技術が導入されました。

DDインバーターモーター搭載の洗濯乾燥機2000年2月、東芝が世界初のDD(Direct Drive)インバーターモーターを採用した低騒音・低振動のドラム式洗濯乾燥機を発売。商品の静かさが話題となり、ドラム式洗濯乾燥機の販売が活発化。DDインバーターモーター採用のドラム式洗濯乾燥機は技術のブレークスルーと言われている

ヒートポンプ・ドラム式洗濯乾燥機: 2005年、松下はヒートポンプ技術を採用したドラム式洗濯乾燥機を発売。この技術はエアコンの原理を利用し、従来のヒーターや冷却水を使わない新しい方式で消費電力や使用水量が大幅に削減されました。特にヒートポンプ技術は、洗濯性能や乾燥性能の向上に大きく寄与し、環境への負荷も低減しました。

2023年現在の最新洗濯乾燥機:低騒音、洗浄能力向上はもちろんのこと、洗剤柔軟剤の自動投入や、外出先からスマートフォンでの操作、水洗いできない衣類も除菌、消臭が出来る機種も登場。

「ワンボタンで時を節約」洗濯乾燥機がもたらす生活の変革

洗濯という日常の一つの作業が、私たちの生活にどれほどの影響を与えているか、一度立ち止まって考えたことはありますか?

近年、洗濯から乾燥までをボタン一つで完了する洗濯乾燥機の存在感が増しています。この技術の進化が私たちの生活にどれほどの変化をもたらしているのかを、わかりやすく深堀りしていきます。

時間の節約: 洗濯機では、洗濯後に衣類を取り出し、外に干す時間や、乾いた洗濯物を取り込む時間が必要でした。これには平均で約15分(干す)+ 15分(取り込む)= 30分かかることが一般的でした。これを毎日行うと、週に約210分、つまり3.5時間となります。月に換算すると約14時間、年間では約168時間の節約を意味します。これは、年間約7日分の節約となり、数年で元が取れてしまうほど費用対効果は絶大です。

経済的な節約: 洗濯乾燥機は、洗濯と乾燥のプロセスを効率的に組み合わせることで、電気や水の使用量を削減。従来の洗濯と乾燥の組み合わせに比べ、年間の電気代や水道代で数千円の節約が期待できます

空間の節約: 乾燥機単体を別途設置する必要がなくなり、家の中での利用可能なスペースが増加します。現在の洗濯乾燥機は、従来よりもコンパクトなデザインが多く、限られたスペースの住居でも設置が容易になっています。このように、空間を効率的に利用できるのは、特に都市部の狭い住まいにとって、大きな利点となっています。

生活の質の向上: 洗濯乾燥機の導入により、雨の日でも洗濯物を乾燥させることができるようになりました。これにより、天気に左右されず、計画的に洗濯を行うことが可能となり、生活の質が向上しました。さらに、人生において時間は限られています。節約された時間を、家族や友人との価値ある時間に使ったり、自分の趣味や習い事に投資することができます。このように、洗濯乾燥機は私たちの日常を単に効率的にするだけでなく、人生そのものの質を向上させる有意義な存在と言えるでしょう。

日本の食器洗い乾燥機の歴史

簡単に食器洗い乾燥機の歴史を振り返ってみましょう。

食器洗い乾燥機の始まり: 1950年代後半、外食産業が成長し、業務用の自動皿洗い機が出回り始めました。これを受けて日本では1960年(昭和35年)、松下電器産業(現・パナソニック)によって家庭用の電気自動皿洗い機第一号が発売されました。この初期の食器洗浄機はサイズや機能、価格の面での課題が多く普及しませんでした。

卓上型の登場: 日本の狭いキッチンスペースが大きな課題となり、パナソニックはこの問題を解決するべく8年という歳月をかけ、1968年に日本初の卓上型食器洗い機を製品化。しかし、まだ大量の水を使用するなど多くの課題があり普及には至りませんでした。そしてそれから30年近くたった1996年頃、技術の進化により各家電メーカーから従来の製品よりもさらにコンパクトな機種が開発され、集合住宅などでも設置が容易になりました。そして2000年代に入ると環境への配慮が強まり、節水やエコ技術がまた1段階進化していきました。この時期にO-157食中毒が流行し、高温で洗える食器洗浄機の需要が一気に伸びました。

食器洗い乾燥機の普及: 2001年には日本での世帯普及率が10%を突破。2003年には卓上型の売り上げが初めてビルトイン型を上回りました。さらに、2003年1月31日の施政方針演説で小泉純一郎首相(当時)は食器洗い乾燥機機・薄型テレビ・カメラ付携帯電話を「新三種の神器」として挙げ、普及に拍車をかけました。

卓上型食器洗い乾燥機の衰退ビルトイン型の需要は安定する一方で2003年をピークに卓上型食器洗い乾燥機の売り上げは減少し始めました。かつては、パナソニック、三菱電機、日立、東芝、シャープ、三洋電機、象印マホービン、TOTOなどの大手メーカーが製品を発売していましたが、2010年時点で3社のみが生産を続けていました。そして、2012年までに東芝と象印マホービンが生産を終了し、現在大手家電メーカーの中ではパナソニックのみが卓上型の生産を続けています。卓上型食器洗い機の衰退の背景には、日本の住宅事情やライフスタイルの変化、経済の停滞と消費者の高品質製品への志向、そして国際的な競争と技術革新の進展が絡み合い、ビルトイン型の効率性や機能性が重視されるようになったことが一因だと思われます。

現代の卓上型食器洗い乾燥機: 2023年現在、パナソニックだけとはいえ卓上型食器洗い乾燥機はさらに進化を遂げています。時間が経った油のこびり付きまで落としてくれるほどの高洗浄機能や、水温や室温を検知して自動で節電できる最上位機種から、賃貸住宅でも設置可能な工事不要のタンク式、非常にコンパクトな一人用など生活スタイルに合った商品が開発されています。

「料理後の救世主」老若男女が本領発揮

料理の楽しさはその結果として得られる美味しい料理にありますが、その後の食器の山は多くの人々にとって大きな悩みの種でした。

しかし、食器洗い乾燥機の登場によりこの悩みは一変。この革命的な家電は私たちの生活を劇的に変えることが出来るようになりました。

時間の節約: 手洗いにかかる時間は家庭環境によって変わりますが、4人家族だとして一回あたり約30分。一日2回洗うと仮定すると1日で1時間、1年で365時間、年間約15日分の手洗いの時間が必要です。食器洗い乾燥機を使用することで、年間約15日分を自由な時間として使えるようになります。

経済的な節約: 経済産業省資源エネルギー庁の「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬ガイド」17ページのデータを見ると、手洗い(冷房期間を除いたガス+水道)と食器洗い機(電気+水道)を比較検討した結果、年間で約8,870円の節約が可能となります。パナソニックの公式ホームページでは機種によっては年間2万円以上節約ができると解説している商品もあります。家庭環境により使い方は様々だと思いますが、手洗いで冬場ガスを使用しない状況下でさえも水道使用量の差でトータルではほぼ同じ光熱費になります。洗う時間と労力を加味すれば圧倒的な費用対効果が得られるのは間違いありません。

日本の住宅事情への適応: 日本のキッチンスペースは限られています。しかし、卓上型食器洗い乾燥機の登場により、狭いスペースでも効率的に食器洗いができるようになりました。全体的な省スペース化に加えて、工事不要の一人用のタンク式小型食器洗い機もラインナップされているので単身赴任や学生の一人暮らしでも大活躍します。

手洗いよりも衛生的:手洗いでは出来ない60℃~80℃の高温で洗浄するため油汚れはもちろん、サルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの食中毒菌の多くは、75℃以上1分間の加熱でほとんど死滅させることが可能です。

ロボット掃除機の歴史

簡単にロボット掃除機の歴史を振り返ってみましょう。

ロボット掃除機の始まり: 1970年代にロボット掃除機の開発がスタート。当初は業務用としての利用が中心で、大型の施設や工場での清掃を目的としていました。その後、技術の進化とともに各メーカーが家庭用のロボット掃除機の開発に着手。世界初はスウェーデンの主要家電ブランド、エレクトロラックスが開発したロボット掃除機「トリロバイト」で欧州で2001年に販売開始。エレクトロラックス社と提携関係にあった東芝が日本初の掃除ロボットとして2002年10月1日に「トリロバイト」を販売開始。同2002年、アメリカのアイロボット社が「ルンバ」という掃除ロボットを市場に投入し、大ヒットを記録。特に2007年に登場した「ルンバ 500シリーズ」は、ベストセラーとして多くの人々に支持されました。

国産ロボット掃除機発売の大幅な遅れ:国産の開発自体は1980年代から始まりましたが、一般家庭用として発売されたのはそれから30年近く経ってからでした。2011年に東芝が「Smarbo(スマーボ)」を、翌年の2012年にはシャープが「COCOROBO(ココロボ)」を、そして2015年にはパナソニックが「RULO(ルーロ)」をそれぞれ発売。参入が遅れた背景には、掃除ロボットが物を壊すリスク、ホコリの詰まりによる発火の危険性や、2005年までの市場規模の小ささも影響していました。これらの要因が、国産のロボット掃除機の発売を遅らせる大きな障壁となっていたと考えられます。日本の製造業は「高いリスク回避性」を持つため、技術的な能力はあるにも関わらず潜在的な市場機会を逃がしやすい傾向にあります。

ロボット掃除機の今:近年のロボット掃除機は進化が著しく、2万円から20万円の幅広い価格帯で展開しています。最新機種はAI技術や高精度センサーを搭載し、遠隔操作も可能で水拭きと吸引が同時にできる機種も。市場ではiRobot(アメリカ)の「ルンバ」がシェア70%以上を占めて全体をリード、その後をエコバックス(中国)が猛追しています。日本製はPanasonic、日立などが奮闘。東芝も販売していますが白物家電事業は中国企業のマイディアに買収済みのため実質中国製となっています。

「あなたの代わりに決まった時間に毎日床掃除」清々しい毎日を

毎日の掃除機がけを欠かさない家庭は、実に3割に上るとPanasonicの調査が示しています。

しかし、その他の7割の家庭では忙しい日常や育児、仕事などで掃除機をかける時間が取れないのが実情。これは、時間さえ許せば毎日掃除をしたいと願っている家庭が多いことを示唆しています。

そんな日常の中で、代わりに毎日床掃除をしてくれる存在がロボット掃除機です。

ただ、ロボット掃除機は、キャニスター(普通のコード付き)掃除機と比較するとランニングコストが高めです。バッテリーやフィルター、ブラシの定期的な交換が必要となるためです。

それでもロボット掃除機を推奨する背景には、その価値を十分に裏打ちする理由が存在します。

電気代の節約:機種によって数字は前後しますが一回の稼働で30Wのロボット掃除機を3時間(充電時間含む)使用すると0.09kWhの消費電力となり、2023年5月末時点の家庭用電気料金35円/kWhで計算すると3.15円になります。待機電力も合わせた1日の合計消費電力料金は約5円程度で年間約1,825円になります。

これに対して、一般的なキャニスター(普通のコード付き)掃除機の消費電力約1000W(吸い込み仕事率とは違います)を1日15分使用すると、1年間で91.25kWh消費。これは35円/kWh計算で年間約3,193円になります。最終的な電気代を比較するとロボット掃除機の方が年間1,368円お得になります。微々たるものと思う方もいるかもしれませんが、現在は電気代が年々上がってきています。それに比例して節約できる金額も増えていき、ちりも積もれば山となります。

時間の節約:ロボット掃除機を使う最大のメリットは家事の軽減、そして新しく時間を生み出すことです。誰しも1日24時間の中で生活しています。しかし、この中には洗濯や食器洗いなど、必ずやらなければならないことが多数あり、掃除機をかけることもその一つ。1日30分掃除機に時間をかけたとして、年間で約182時間、1年で7~8日の時間を生み出すことになります。上位機種だと床の水拭きもしてくれるので十分な費用対効果が見込めると思います。

毎日の床掃除は花粉症や風邪予防になる:私たちの住む空間の床やカーペットには、見えないほこりや毛髪、皮脂、細菌、ウイルス、花粉などが日々蓄積しています。日常生活の中でこれらの微粒子を完全に排除することは難しいのが現実です。特に冬から春にかけての乾燥期には、水分を保持していないこれらの微粒子はいつも以上に軽くなり、エアコンや歩行によって空気中に舞いやすくなります。これらの微粒子は口や鼻呼吸からはもちろんのこと、手すりや机、椅子などに触れることで体内に入るリスクが高まります。完全にこれを防ぐことは難しいものの、毎日床掃除を徹底することで、そのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。そして、健康を維持することで医療費の削減にも繋がります。

まとめ

洗濯乾燥機、食器洗い機、ロボット掃除機。これらは一見贅沢品のように思えるかもしれませんが、現代の忙しい生活スタイルには欠かせない存在となっています。特に、核家族化や夫婦共働き、一人暮らしの増加に伴い日常の家事にかける時間が限られてきています。そんな中、これらの家電は私たちの時間を劇的に節約し、生活の質を向上させてくれます。

初期投資する金額としては確かに高いかもしれませんが、その後の時間の節約や効率化を考えれば、その価値は計り知れません。例えば、これら3種の家電を全て使用することで、1年間で約1ヶ月分の時間を捻出できる可能性があります。これは、趣味や家族との時間、自分磨きの時間として有効活用できる大きなチャンスです。

さらに、これらの家電はエネルギー効率も良く、長期的には電気代の節約にも繋がります。また、手間をかけずに高い清潔度を保つことができるため、健康や衛生面でもメリットがあります。

これらの家電を導入することで、日常のストレスや疲れも軽減されるでしょう。毎日の家事から解放されることで、より充実した日常を送ることができます。

結論として、1年間で約1ヶ月分の時間を捻出できる可能性秘めた洗濯乾燥機、食器洗い機、ロボット掃除機は現代の生活スタイルに合わせたとても便利な家電と言えます。

しかし、家電購入を検討する際には、自身の生活スタイルや経済状況を考慮して、真に必要と感じた場合のみ投資を検討してください

家電の購入は確かに生活を豊かにする要素の一つですが、ローン(借金)を組むことで生じる経済的な負担も考慮しなければなりません。特に、住宅や車のような大きな買い物と同じく、ローンは家計に大きな影響を及ぼす可能性があります。

近年の日本の経済状況を鑑みると大学の初任給は30年前と変わらず、社会保障費や消費税を鑑みれば実質的な収入は減少傾向にあります。このような不透明な経済環境の中で、無理なローンを組むことはリスクが伴います。そのため、他人の意見や流行に流されることなく、自分自身の価値観や家計状況をしっかりと見極め、賢明な選択をしてください。