電動歯ブラシを選ぶとき、多くの人がどのタイプが自分に合っているのか迷うものです。
本記事では、初心者の方でも安心して電動歯ブラシを選ぶためのポイントをわかりやすく解説していきます。
さまざまな種類の電動歯ブラシの特徴や選び方について知り、あなたにぴったりの1本を見つけましょう。
電動歯ブラシのメリット・デメリット
まずは電動歯ブラシのメリットとデメリットについて確認しましょう。
メリット
- 手動歯ブラシに比べて短時間で効果的にプラーク(歯垢)を除去できる。
- 力加減をコントロールしやすく、歯や歯茎に優しい。
- タイマー機能などが付いているものもあり、適切な時間のブラッシングが可能。
デメリット
- 手動歯ブラシに比べて価格が高い。
- 充電や電池交換が必要。
- ブラシヘッドの交換が定期的に必要で、その分のコストが発生。
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシには大きく分けて2種類のみがき方があります。
振動式電動歯ブラシ
- 歯や歯茎への刺激が弱いため、やさしくみがきたい方に適しています。
- 外出先での使用にも向いており、音が小さいのが特徴です。
回転式電動歯ブラシ
- 歯垢除去力が高く、しっかりとみがきたい方に適しています。
- 歯や歯茎に負担がかかりやすいため、強く押し付けすぎないように注意が必要です。
充電式と乾電池式の違い
充電式
- パワフルなかわりに本体が大きいため、家庭での使用に適しています。
- 内蔵バッテリーは劣化するため、注意が必要です。多くの場合充電池の交換は難しく、バッテリーが劣化した際には、修理対応や本体の買い替えが必要となります。
- 価格は乾電池式よりも高価な傾向にあります。
乾電池式
- 小型なので持ち運びに便利なため、携帯しやすく外出先でも使用可能です。
- 振動回数が少ない傾向にあるため、使用状況に応じて選ぶことが重要です。
- 価格は充電式よりも安価な傾向にあります。
電動歯ブラシの主要メーカー振動数比較
充電池タイプ | 乾電池タイプ | |
---|---|---|
パナソニック (ドルツ) | ヨコみがき 約31,000回/分 機種によって タテみがき 約12,000回/分 のW振動 | 約16,000回/分 |
フィリップス (ソニッケアー) | ヨコタテみがき 約31,000回/分 | 約13,000回/分 |
オムロン | ヨコタテみがき 約25,500回/分 機種によって 約33,000回/分の ポイントケアモード 搭載 | 約20,000回/分 |
振動数の影響と選び方のポイント
振動数が高い電動歯ブラシは、より効率的に歯垢を除去する能力が高いですが、それにはメリットとデメリットがあります。
メリット
- 歯の表面の微細な汚れを効果的に除去。
- ブラッシング時間の短縮が可能。
デメリット
- 歯や歯茎への刺激が強くなりがち。
- 人によっては振動に対して嫌悪感を抱いたり、不向きに感じることもあります。
電動歯ブラシを選ぶときは、振動数だけでなく、自分の使う環境や口の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
振動数が高いモデルは歯垢をしっかり除去できますが、振動の種類や他の機能も見逃せません。
振動数が高いからといって必ずしも良いとは限らず、人によっては強すぎる振動が歯や歯茎に負担をかけることもあります。
メーカーごとに最適な振動数が異なるため、それぞれの特徴を理解して、自分に合ったモデルを選びましょう。
不安であれば最寄りの歯科医師に相談してみることをおすすめします。
主な電動歯ブラシのメーカーと機能の一例
電動歯ブラシの主なメーカー
- パナソニック【振動式】
(ドルツ) - フィリップス【振動式】
(ソニッケアー) - ブラウン【回転式】
(オーラルB) - オムロン【振動式】
各社からは特色ある製品が提供されており、ユーザーのニーズに合わせた多様な選択肢があります。
特徴的な機能一例
- モード切り替え機能
ホワイトニングモードやマッサージモードなど、目的に応じたブラッシングが可能です。 - 着色汚れ除去
特殊なブラシやモードで、ステインを効果的に取り除きます。 - タイマー
一定時間ごとに振動を停止し、ムラなく磨けるようサポートします。 - 力の入れすぎ防止機能
歯や歯茎への過度な圧力を防ぎます。 - スマートフォン連携
アプリと連動して磨き方のガイダンスや磨き残しチェックができるモデルもあります。
電動歯ブラシ使用時の注意点と効果を高める使い方
正しい使い方をすることで、電動歯ブラシの効果を最大限に引き出すことができます。
- ブラシの当て方
歯と歯茎の境目に対して45度の角度で当てると効果的です。 - ブラッシング時間
2分間を目安に磨きましょう。多くの電動歯ブラシにはタイマー機能が付いているので活用しましょう。 - 力加減
強く押し付けず、軽く当てるだけで十分です。圧力センサー付きのモデルを使うと、適切な力で磨けるようサポートしてくれます。
電動歯ブラシの消耗品に関して
- ブラシヘッドの交換頻度
電動歯ブラシのブラシヘッドは通常3か月に1度の交換が推奨されています。メーカー純正ブラシでない場合は耐久性が落ちる可能性があるため、注意が必要です。 - ブラシヘッドの価格
交換用ブラシヘッドの価格はメーカーやモデルによって異なり、一般的には1本あたり数百円から数千円まで幅があります。また、メーカー互換品も選択肢として考えることができますが、互換品は純正品に比べて品質が劣る場合があり、耐久性やブラッシング効果に差が出ることが多々あります。 - 交換用ブラシの種類と互換性
同じメーカーでも交換用ブラシにはさまざまな種類があります。購入時には互換品も含めて、必ず状況に応じたブラシを選びましょう。 - 充電式と乾電池式のコストの違い
充電式の電動歯ブラシは購入後のコストが低く、長期的に見て経済的ですが、基本的に充電池は交換できません。一方で乾電池式は持ち運びに便利で、電池の交換ができますが使うたびにコストがかかります。
歯磨き粉の使用について
電動歯ブラシでの歯磨き粉の使用は必須ではありませんが、使うことでさらに効果的なクリーニングが期待できます。少量の歯磨き粉を使用することでフレッシュな息を保ったり、追加のフッ素供給を行うことが可能です。
ただし、歯磨き粉の量が多すぎると泡立ちが増え、ブラッシングの見落としが発生することもありますので、少量の使用が推奨されます。
また、フッ素含有量が高い歯磨き粉を使う場合、過度なフッ素摂取が体に影響を与えることもあるため、適量を守ることが重要です。それでも心配な方はフッ素なしの歯磨き粉を選びましょう。
さらに、研磨剤入りの歯磨き粉についても注意が必要です。研磨剤が強すぎると、電動歯ブラシとの相乗効果で歯の表面を傷つけてしまう可能性があるため、なるべく研磨剤が入っていない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
主な研磨剤成分表記
- 無水ケイ酸(シリカ)
- リン酸水素ナトリウム
- 炭酸カルシウム
- 炭酸水素ナトリウム
- リン酸水素カルシウム
- 炭酸カリウム
研磨剤の表記がなくても、上記の成分名が記載されている場合は研磨剤が含まれている可能性があります。
電動歯ブラシで使う歯磨き粉は、なるべく「研磨剤不使用」「研磨剤無配合」の表記があるものを選びましょう。
歯の着色が気になる場合や、特定の口腔状態がある場合は、歯科医師に相談すると適切なアドバイスを受けられます。
数ある電動歯ブラシの選び方
多種多様な電動歯ブラシの中から、自分にぴったりの1本を選ぶのは難しいと感じるかもしれません。ここでは、電動歯ブラシを選ぶ際に役立つポイント5つを紹介します。
- 自分に合ったみがき方を選ぶ
電動歯ブラシには振動式と回転式の2つのみがき方があります。振動式は歯や歯茎に優しく、特に敏感な方や、やさしくみがきたい方に向いています。一方、回転式は歯垢除去力が高く、しっかりとしたみがき心地を求める方に適しています。 - 電源方式を考える
充電式と乾電池式の2種類の電源方式があります。家庭での使用がメインなら充電式がおすすめです。一方、旅行や外出先での使用が多い方には乾電池式が便利です。充電式は電池式よりもパワフルで大型のモデルが多いです。一方、乾電池式は電池の交換が手間ですが、小型で持ち運びやすく、場所を選ばず使えるのが利点です。 - 交換用ブラシのコストを確認
電動歯ブラシを選ぶ際には、交換用ブラシの価格や入手のしやすさを考慮することが重要です。交換用ブラシが高価だと長期的なコストが高くなるため、事前に価格を確認しておくと良いでしょう。 - 機能で選ぶ
電動歯ブラシには様々な便利な機能が付いています。例えば、タイマー機能やスマホ連携機能などがあります。これらの機能はブラッシングをサポートし、適切な時間や場所を磨くことに役立ちます。自分のライフスタイルに合った機能を持つモデルを選びましょう。 - 口コミやレビューを参考にする
実際に使っている人の口コミやレビューを確認することも有効です。使い心地や効果についてのリアルな意見を参考にして、自分に合った電動歯ブラシを見つける手助けとしましょう。
電動歯ブラシのお手入れと適切な充電の仕方
各メーカー共通のお手入れ方法
- 使用後の洗浄
ブラシヘッドを取り外し、水で丁寧に洗浄して歯みがき粉や汚れを除去します。 ハンドル部分も湿らせた布で拭き取り、清潔に保ちましょう。 - 乾燥
洗浄後はブラシヘッドとハンドルをしっかり乾燥させます。 湿気が残るとカビや細菌の繁殖の原因となるため、風通しの良い場所で保管してください。 - 定期的な消毒
週に一度はブラシヘッドを消毒することが推奨されます。 UV除菌ができるケースや熱湯消毒を利用すると効果的です。特に小さい子どもは歯磨き中の液体を飲み込みやすいので気をつけましょう。 - 充電管理
充電しっぱなしはバッテリーの劣化を早める可能性があるため、適切な充電管理が推奨されています。
適切な充電方法
電動歯ブラシの多くはリチウムイオン電池を使用しています。これらの電池は、過充電や過放電により劣化が進む特性があります。充電器に常時接続したままにすると、過充電状態となり、バッテリーの劣化を早める可能性があります。
- フル充電後の取り外し
バッテリーが満充電になったら、充電器から取り外すことを推奨します。これにより、過充電を防ぎ、バッテリーの寿命を延ばすことができます。 - 定期的な放電
数ヶ月〜半年に一度、バッテリーを完全に使い切ってから再度フル充電する「充電池の活性化」を行うと、バッテリー性能の維持に効果的です。 - 適切な保管
長期間使用しない場合は、バッテリー残量を50%程度にして保管することが望ましいとされています。これにより、バッテリーの劣化を抑えることができます。
各メーカーは公式サイトや製品の取扱説明書で適切な充電方法を案内しており、例えばブラウンは半年に一度の充電池の活性化を推奨しているので確認してみましょう。
電動歯ブラシの保証内容・平均寿命・部品保有年数を確認
電動歯ブラシ購入の際には、保証内容や平均寿命、部品保有年数を確認することも大切なポイントです。
通常保証内容の確認
基本1年間の無料保証が付いてきます。この保証期間中に不具合が発生した場合、修理や部品交換が無料で行われることが一般的です。ただし、保証内容はメーカーやモデルによって異なるため、しっかり確認することが大切です。
無料保証のポイント
- 保証期間
通常1年間が基本です。フィリップスのみ2年間保証を行っています。 - 保証対象
初期不良や、通常使用による故障が対象となります。 - 保証対象外
落下や水没などの過失による故障は保証対象外となることが多いです。この場合は火災保険で対応できる可能性がありますので、加入している火災保険会社に一度問い合わせしてみることをおすすめします。 - 無料or有償延長保証
一部のメーカーや販売店では、購入時に無料or有償で延長保証を提供している場合がありますので、忘れずに確認しましょう。
電動歯ブラシの平均寿命
使用頻度やメンテナンスに左右されますが、一般的には約3〜5年程度とされています。
電動歯ブラシの故障に影響する要因
- 防水性能の劣化
電動歯ブラシは水に触れる機会が多いため、防水性能が重要です。長期間の使用や不適切な保管により、防水シールやパッキンが劣化すると内部に水が入り、モーターや電気部品が故障する原因となります。 - バッテリーの劣化
充電式電動歯ブラシに使用されるリチウムイオン電池やニッケル水素電池は、充放電の繰り返しで容量が低下します。これにより、動作時間が短くなったり、充電できなくなったりして、製品寿命が縮まることがあります。 - 物理的な損傷
落下や強い衝撃によって内部のモーターやギアが損傷することがあります。また、通常使用時やブラシヘッドの交換時に過剰な力をかけすぎると、接続部が破損する可能性もあります。
部品保有年数
メーカーにより部品保有年数がかわります。
電動歯ブラシメーカー | 部品保有年数 (製造終了後から) | メーカー保証期間 |
---|---|---|
フィリップス | 6年 | 2年 |
ブラウン | 6年 | 1年 |
パナソニック | 5年 | 1年 |
オムロン | 5年 | 1年 |
電動歯ブラシ【メーカー別の特徴】
フィリップス(Philips)「ソニッケアー」シリーズ
- 音波水流技術による高い洗浄力
毎分約31,000回の高速振動と幅広い振幅により、口腔内で唾液の流れを生み出す「音波水流」を発生させます。これにより、ブラシが届きにくい部分の歯垢も効果的に除去します。 - 多彩なブラッシングモード
モデルによっては、クリーンモード、ホワイトニングモード、ガムケアモードなど、複数のブラッシングモードを搭載し、個々の口腔ケアニーズに対応します。 - スマート機能との連携
一部モデルでは、専用アプリと連携し、ブラッシングの習慣や効果をモニタリングできます。これにより、磨き残しの確認や適切なブラッシング方法の指導を受けることが可能です。
パナソニック(Panasonic)「ドルツ」シリーズ
- 縦横のW音波振動で効果的な歯垢除去
独自の「W音波振動」を採用し、ヨコ方向約31,000ストローク/分、タタキ(縦)方向約12,000ストローク/分の振動を実現しています。これにより、歯周ポケットや歯間の歯垢を効果的に除去します。 - コンパクトヘッドで隅々までケア
小型のブラシヘッドにより、奥歯や歯並びの悪い部分にも容易にアクセスでき、口腔内を隅々まで清掃できます。 - 多様なモード設定
ドルツシリーズは、Wクリーンモード、ノーマルモード、ソフトモード、センシティブモード、Wガムケアモードなど、5つのモードを搭載し、ユーザーのニーズに合わせたブラッシングが可能です。
ブラウン(Braun)「オーラルB」シリーズ
- 独自の回転式ブラシによる高い歯垢除去力
他のメーカーが主に採用している振動方式とは異なり、独自の回転式ブラシを採用しています。この丸型回転ブラシは、歯科クリーニング器具から着想を得て設計されており、歯の一本一本を包み込むようにみがくことで、効果的に歯垢を除去します。 - ガイド機能付きディスプレイ
上位モデルでは、内蔵ディスプレイや専用アプリと連携し、適切なブラッシング時間や圧力をガイドする機能を搭載しています。 - 多様なブラシヘッドオプション
機種によってはホワイトニング用、敏感な歯茎用、歯間清掃用など、用途に応じた多彩なブラシヘッドが選択可能です。
オムロン(OMRON)
- マイクロ振動で歯と歯茎をケア
オムロンの電動歯ブラシは、1分間に約25,500回の高速振動で、歯や歯茎に優しくアプローチします。 - 静音設計で快適な使用感
動作音が静かで、夜間や家族が寝ている時間でも気にせず使用できます。 - コストパフォーマンスの高さ
他メーカーと比較しても価格が抑えられているモデルが多く、初めて電動歯ブラシを使う方にも適しています。
まとめ
電動歯ブラシは、口腔ケアを効率的かつ効果的に行うための強力なツールです。それぞれのメーカーが独自の技術や機能を駆使して、多様なニーズに応える製品を提供しています。
メーカーで選ぶ
- フィリップス
音波水流技術を活用した洗浄力で、歯垢除去の効率を高めています。みがき残しが気になる方におすすめです。 - パナソニック
縦横のW音波振動で歯周ポケットや歯間のケアを重視。歯茎ケアを含む総合的なケアを求める方に最適です。 - ブラウン
独自の回転式ブラシが特徴で、歯を包み込むように磨く高い除去力が魅力。確実な歯垢除去を重視する方に向いています。 - オムロン
シンプルで静音設計の電動歯ブラシを提供し、価格帯も抑えられており、初心者におすすめです。
使い方で選ぶ
- 自身のニーズを理解する
振動タイプか回転ブラシタイプかによって使い方が変わってきます。ご自身に合った機種を見つけるには、自分の歯みがきスタイルを確認することが重要です。 - 使用シーンを考慮する
ご自宅の洗面所でしか使わないのならパワフルな充電式タイプ。持ち運びするならコンパクトな乾電池式タイプがおすすめです。 - ランニングコストも重要
各メーカーのブラシヘッドの交換頻度や価格も購入時に確認しておくと、長期的な満足度が高まります。
最後に電動歯ブラシが本当に必要かよく考える
手動歯ブラシでしっかりみがけており、歯の健康状態も良好、と思う方はそもそも電動歯ブラシは不要です。無理に電動歯ブラシを選ぶ必要はありません。電動歯ブラシにするよりも歯医者さんで定期的な歯石除去と歯科検診を行うことが最重要です。
各メーカーの製品には、機能性や使い勝手、価格などさまざまな違いがあります。
購入時には、自身の磨き方の癖や口腔内の状況を考慮し、最適な製品を選ぶことが大切です。また、正しい使い方や定期的なブラシヘッドの交換を心がけることで、電動歯ブラシの効果を最大限に引き出すことができます。
手動歯ブラシでは満足できない!と感じている方は
日々のケアの質を高め、健康な歯と歯茎を維持するために、電動歯ブラシを検討してみて下さい。